アトピーの原因は黄色ブドウ球菌!?菌を増やさない方法

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2015年に入ってから、アトピー性皮膚炎に関して新たなことがわかりました。それは、アトピー性皮膚炎の原因は、皮膚の細菌が異常繁殖して起こっているということです。特に細菌の中でも、アトピー性皮膚炎の発症や悪化の大きな原因となっているのが「黄色ブドウ球菌」です。

マウスを用いた実験により解明した事実ですが、この発見は、アトピー性皮膚炎の新しい治療法を確立するための大きなヒントになるのではないかと思います。すなわち、ステロイドや抗生物質などに頼ることのない、心にも体にも優しいアトピー性皮膚炎の治療法ができるのではないかということです。

では、なぜ黄色ブドウ球菌が原因だと判明したのか、黄色ブドウ球菌を増やさないためにはどうしたら良いかなど詳しく見てみましょう。

アトピー性皮膚炎の原因が不明であった理由

アトピー性皮膚炎の原因と言われると、みなさんは何を思いつきますか?ダニやホコリ、食べ物など、アレルギーに関するものを思いつく人が多いと思います。たしかに、アトピー性皮膚炎は、気管支喘息やその他のアレルギーなど、アレルギーに関係する疾患と併発するケースが多いため、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のうちの1つではないかと考えられていました。

アトピー性皮膚炎を発症させる大きな原因とされていた、アトピー要因というのもアレルギーの関することです。

しかし、なぜアレルギーによって皮膚炎が引き起こされるのかというのはわからないままでした。

アトピー性皮膚炎の患者さんを血液検査すると、強い抗体が検出されるケースが多く、ダニやホコリなどのハウスダストが大きな原因ではないかとも言われていましたが、それを裏付けできる証拠もなく、アレルゲンは不明のままでした。なので、アトピー性皮膚炎の原因は不明とされてきていたのです。

皮膚の表面を見てみると細菌に変化が起きていた

体の中からアトピー性皮膚炎の原因を探ってもよくわかりませんでしたが、皮膚表面を見てみると、皮膚に付着している細菌に変化が起きていました。

通常、皮膚の表面には何種類もの細菌が付着していますが、健康的な肌の人は、肌のバリア機能により、細菌感染を防いでいました。

アトピー性皮膚炎の人の肌はバリア機能が衰えており、些細な刺激でも細菌感染しやすい環境となっています。アトピー性皮膚炎の人の肌にも何種類もの細菌がいますが、症状がひどくなると、細菌の種類が通常の人よりも少なくなり、代わりに黄色ブドウ球菌が過半数を占めていることがわかりました。

しかし、黄色ブドウ球菌が増えるということは以前から知られていたものの、なぜ黄色ブドウ球菌が増えることでアトピー性皮膚炎が悪化するのかなど、アトピー性皮膚炎との関係は不明なままでした。

そこで、慶応大学医学部皮膚科学教室とアメリカのNational Institutes of Healthの永尾圭介博士とのグループ研究により、マウス実験が行われました。

黄色ブドウ球菌とアトピー性皮膚炎の関係

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まず、マウス実験ではアトピー性皮膚炎を発症するマウスが用いられました。そのマウスに皮膚細菌巣を培養し、様子を見たところ、生後4週目からC.mastitidis(日本語訳不明)という細菌が出現しました。その後、黄色ブドウ球菌が出現し、最終的に皮膚細菌巣は黄色ブドウ球菌と、C.vobisという細菌で支配されてしまいました。

この黄色ブドウ球菌とC.vobisという細菌で皮膚細菌巣が支配されたモデルマウスに、離乳したあとすぐに抗生物質を2種類を与えてみました。使われた抗生物質は、異常な細菌巣に効果のある抗生物質で、この抗生物質で抗菌治療を持続的に行ったところ、皮膚炎が発症しなくなりました。

次に2つ実験が行われました。1つ目が、離乳直後にあえて治療を行わず、離乳してから10週目から抗菌治療を開始するという実験です。そして2つ目が離乳直後に抗菌治療を行い、10週目で抗菌治療を中止するという実験です。

結果はどうなったのかというと、まず10週目から抗菌治療を行ったマウスは、皮膚炎がほとんど治ってしまいました。しかし、10週目で抗菌治療をやめたマウスは、治療中正常に保たれていた細菌巣が、一気に黄色ブドウ球菌とC.vobisに支配されてしまい、激しい皮膚炎が起こってしまいました。

では、ここで治療を中止したことで皮膚炎が激しくなってしまったマウスから、治療を始めて皮膚炎が一時的に治まっているマウスに細菌を接種させました。すると、接種した細菌の中でも黄色ブドウ球菌が激しい皮膚炎を誘発させました。

一方、黄色ブドウ球菌と一緒に皮膚細菌巣を支配していたC.vobisという細菌はというと、IgE抗体を上昇させて免疫反応を誘導していました。アトピー性皮膚炎患者の血液を検査すると、強い抗体が検出される理由はC.vobisによるものということがわかりました。

実験でわかったことは?

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さて、この実験を行ったことでわかったことは、黄色ブドウ球菌とC.vobisにより支配され、偏ってしまった異常細菌巣を、正常な細菌巣に戻すことでアトピー性皮膚炎が治まるようになるのではないかということです。

実験では、抗生物質によって細菌巣の正常化を行っていましたが、抗生物質をとり続けてしまうと、免疫が低下したり、腸内細菌に悪影響が出てしまうため、抗生物質を使うことなく異常細菌巣を正常化するというのが今後の課題になりそうです。しかし、課題をクリアすることで新しい治療法の開発に繋がるのではないでしょうか。

まだまだ月日はかかりますが、アトピー性皮膚炎の新しい治療法が確立されるかもしれないという希望が見えたのは事実です。ステロイドや抗生物質に頼ることのない、心にも体にも優しい治療を医師の指導のもと行えるようになる未来が来るのも近いかもしれませんね。

今できることをやろう

今回は、実験により黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎を誘発する原因だということがわかりました。2015年に入ってからわかったことであるため、治療法についてはまだまだ研究中だと思いますので、すぐに確立されることはありません。

しかし、原因がわかっただけでも、アトピー性皮膚炎の治し方を知るための多いなヒントにはなりました。

まず、アトピー性皮膚炎の人の肌は黄色ブドウ球菌が異常繁殖しているということがわかりましたので、黄色ブドウ球菌を自分たちの手で減らす必要があります。細菌巣を正常化することは、自分たちの手でするのは難しいかもしれませんが、黄色ブドウ球菌を減らすことや、増やさないようにすることは今からでもできます。

では今できることというのはどういうことなのでしょうか?

黄色ブドウ球菌を増やさないために大切なことは、皮膚を清潔にすること

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黄色ブドウ球菌を殺菌し、増やさないようにするのはとても簡単です。皮膚を清潔にすればいいだけです。そのためには、きちんと石鹸を使って皮膚を洗うことです。髪、顔、体、それぞれに適した石鹸をきちんと使うようにしましょう。

現在、インターネット上ではお湯だけとか、水だけとかという、石鹸を使わない入浴法が良いという噂が広がっています。確かに、低刺激でなおかつ必要な皮脂まで落とし過ぎないというメリットが、そのような入浴法にはありますが、お湯や水だけで汚れを落とすことはできても、殺菌するというのは難しいです。

石鹸を使用すれば、優しく泡を転がすように洗うだけでも黄色ブドウ球菌は殺菌されます。さらに、黄色ブドウ球菌以外の細菌や、ダニやホコリなどのアレルゲン物質、皮膚の汚れなど刺激となるものを落とすことも簡単です。

石鹸による肌への刺激が心配されているようですが、石鹸の刺激よりも、肌に残ってしまっている汚れやアレルゲン物質、細菌などの方がアトピー性皮膚炎を悪化させる原因になりやすいです。なので、アトピー性皮膚炎で大切なことは、皮膚を清潔にするということです。

抗菌作用のある軟膏を使いましょう

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心にも体にも優しくアトピー性皮膚炎を治すなら、できれば薬には頼りたくないというのが本音だと思いますが、軟膏は別です。なぜならば、かゆみを我慢できずにかきむしってしまったり、かゆみのせいで寝不足などになる方がよっぽど心にも体にも優しくないからです。

むしろ、かきむしって悪化させてしまうと、その他の病気と合併してしまう危険性もあるので、かゆいときは無理せず軟膏を使いましょう。

そこでおすすめなのが、抗菌作用のある軟膏を使うことです。酸化亜鉛の入った軟膏やヒノキチオール軟膏がおすすめです。酸化亜鉛の入った軟膏を使う場合は、酸化亜鉛の含有率が5%ほどのものを使いましょう。5%以下ですと黄色ブドウ球菌が皮膚へ定着するのを防げない可能性があります。

ヒノキチオール軟膏は、使用し続けることで抗菌作用が効かなくなるという耐性菌が、現時点では出現しないため比較的安全な抗菌作用を持つ軟膏とされています。ある程度の期間使い続けても問題はありませんので、かゆみが持続するタイプの人におすすめです。

まとめ

アトピー性皮膚炎の原因は、黄色ブドウ球菌が皮膚炎を誘導することが原因ということがわかりました。症状を抑えたり、悪化しないようにするためには、皮膚に付着している黄色ブドウ球菌を減らす必要があります。

黄色ブドウ球菌を減らすにはきちんと石鹸を使用して入浴をすること、そして、抗菌作用のある軟膏を使い、黄色ブドウ球菌が定着するのを防ぐことです。

治療法が確立されるまではまだ長い月日を必要とすると思いますが、希望が見えたことは間違いないでしょう。



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